盲導犬関係書籍の紹介  

書名:二人五脚 盲導犬クリナムと歩んだ7年の記録
著者:松井 進
 全盲の著者が盲導犬クリナムとの出会いから病死までの7年の思い出を書いた感動のノンフィクション。クリナムの盲導犬としての健気な姿は、犬好きの人でなくとも胸を熱くさせるものがある……
 本書は一人でも多くの皆さんに快適にお読みいただけるよう、日本で初めて五媒体による「バリアフリー同時出版」の試みを 実践しています。

 発売時期:6月19日
 装幀:四六判上製 280ページ
 定価:本体1500円+税
 ISBN:4-408-39476-9 C0095
 問い合わせ:実業之日本社・販売部
   tel:03-(3535)-4441/fax:03-(3562)-4313


 バリアフリー出版について
 本書は一人でも多くの皆さんに快適にお読みいただけるよう、関係各社のご協力をいただき日本で初めて五媒体による「バリアフリー同時出版」の試みを実践しています。
 1.本書の活字は普通の図書に比べやや大きめにし、ルビを増やして子どもから大人、高齢者の方まで幅広い年齢層の方に読みやすいように配慮しています。また表紙と裏表紙に点字と点図を配置し、どなたでも点字に直接触れていただけるようにしています。
 2.活字による読書の困難な方や通勤中、自動車運転中、手の離せない仕事中の方等耳からの読書を楽しみたい方向けに、本書の音訳版(朗読テープ)を(有)音訳サービス・J(045-441-1674)から同時出版しています。(音声訳:東 涼子)
 3.視覚に障害のある方や、視覚・聴覚の2重障害のある方向けに、本書の点訳版を(有)オフィスリエゾン(0774-56-3907)から同時出版しています。
 4.弱視者や高齢者等通常の活字の大きさでは読みにくい方向けに、本書の大活字版を(株)大活字(03-5282-4361)から同時出版しています。
 5.高齢者やいろいろな障害等で通常の方法による読書の困難な方向けに、パソコンや専用の読書機等でご利用いただけるマルチメディアDAISY版(CDデジタル録音図書)をNPOひなぎく(052-350-5332)の協力を得て製作し、(株)大活字から同時出版しています。

 


 ●同時出版の意義
 このたびの「バリアフリー同時出版」の試みは「デジタルデバイド(情報障害)」を作らないための画期的な取り組みです。外界からの情報の80%は視覚を通して得ているといわれており、私たち視覚障害者は「情報障害者」ということもできます。
 点訳については著作権法的に自由におこなうことができるよう補償されていますが、点字図書館以外の公共図書館や施設、会社等が音訳や大活字、マルチメディア版DAISYの資料を製作しようとした場合、著作権法の制限規定によって著作権者はもちろん場合によっては出版社側の許諾が必要です。そのため通常私たち視覚障害者が本を読みたいと思った場合、著作権許諾と実際の作業等で順調にいって3カ月、場合によっては半年以上待たされる結果になってしまいます。また著作者が快諾していただけなければ、どんな良い本、ベストセラーになっている本でも、視覚障害者等活字による読書の困難な人には全く読むことができません。
 本書はそういった問題を解決するため、出版の段階からバリアフリーを意識して製作しました。まずルビを多くすることで、どなたにも読みやすくなるのはもちろん、音訳や点訳を行うときに必要となる読み方の下調べ等も少なくなり、製作が容易になります。また印刷用の元データの提供も行うことができるため、大活字版やマルチメディア版DAISYの製作作業のスピードアップにもつながります。このマルチメディア版DAISYの優れている点は、視覚障害者はもちろん、いままで通常の方法による読書が困難とされてきた学習障害者や、本をめくることのできない重度の身体障害者の方でも、特殊なキーボードやマウス、ジョイスティックやアイコンタクト(瞬きでパソコンを操作する方法)等で読書を楽しんでいただけるということにあります。
 大活字版は、全国に20万人以上といわれている弱視・低視力の方や高齢者の方が裸眼で楽に読めるように配慮されたもので、文字サイズは14〜28ポイント(2ポイント刻み)から選択でき、文字の種類は太ゴシック体や太教科書体、太明朝体の3種類から選ぶことができます。また組版は縦1段組と横1段組の2種類があり、本のサイズは菊判とB5判の2種類から選択することができますので、読まれる方の見え方に応じてお選びいただくことができます。
 一般書の表紙に点字と点図を入れることで、視覚障害者の方がこの本に何が書かれているかを自分で確認していただけるとともに、一般の方に直接点字に触れていただけるきっかけにもなるかと思います。
 ですからこのたびのバリアフリー同時出版は、私たち情報障害者にとってきわめて画期的な取り組みであり、今後このような形態の出版が増えていってくれることを願ってやみません。
 今回の「バリアフリー同時出版」を実現するにあたり、障害者等の利用について一定の理解を示してくださり、二次出版の許可と協力をしてくださった実業之日本社の皆さんと、この同時出版の試みに快く協力してくださった関係各社の皆さんに心から感謝申し上げます。

                        2001年4月  著者