講話の概要  12/1 .2000

 ○自己紹介
 ●アイメイト(盲導犬)「アンドリュー」の紹介

 ●アイメイト(盲導犬)とは?
 ●アイメイトの三つの意味(眼の「EYE」・愛情の「LOVE」・一人称の私を意味  する「I」)
 ●アイメイト(盲導犬)の犬種…シェパード・ラブラドールレトリバー・ゴールデンレトリバー。
 ●クイズ1…アイメイトになれる犬ってどんな犬?
  A アイメイトになるための訓練を受けた候補犬ならどの犬もなれる
  B アイメイトになるための訓練を受けた候補犬の雌犬だけがなれる
  C アイメイトになるための訓練を受け合格した候補犬だけがなれる
  答え…C
 ●アイメイトとの歩く中でのメリット…人や物等にぶつからず、すばやく歩くことがで  きる。人の予定を気にかけたり、他人を当てにせず自分の都合で出かけたいときに自  由に出かけることができる。初めての場所でも、安心して出かける事ができる。
  視覚障害者の社会参加促進。雇用・就労の機会の拡大。
 ●デメリット…ホテルやレストランでの利用拒否の問題。数が少ないため好奇な目で見  られてしまう。
 ●クイズ2…なぜ盲導犬は洋服を着ているのか?
  A 寒いから
  B 抜け毛予防。飲食店や犬嫌いな人への配慮。
  C 可愛く見せて周りの人の警戒心をなくすため
  答え…B
 ●ハーネス・リード・チェーンカラーの意味…ハーネス(白い胴輪)は、使用者を誘導  するハンドルのようなものである。ハーネスを付けているとき、アイメイトは仕事中であ  る。また、チェーンカラー(金属の首輪)は、リード(革ひも)とともに、犬の首の  動きを使用者が把握するためのもので、時には「チョーク」(懲戒)するためにも用  いる。
 ●クイズ3…アイメイトのハーネス(胴輪)をはずすのはいつ?
  A 夜寝る時だけはずす
  B 家に帰ったらすぐはずす 
  C アイメイトとしての仕事をやめるとき(リタイア)時まではずさない
  答え…B
 ●仕事中のアイメイトとの接し方…声をかけたり、手を触れたり、頭をなでたり、餌を  与えたりしない。
 ●クイズ4…盲導犬歩行で目的地までどのように出かける?
  A アイメイトに行き先の住所を伝え連れていってもらう
  B 決まった場所以外には出かけない
  C 使用者が行き先の方向を盲導犬に指示する
  答え…C
 ●使用者は頭の中で地図をイメージし、行き先の方向を盲導犬に指示する。また駅の改  札や券売機、階段やエレベータ等は指示語で指示し犬に探してもらう。
 ●歩行方法…常に使用者の左側につき、道は左側通行。
 ●指示語(英語で約30単語程度)
  例…ゴウ(進め)・ライト(右)・レフト(左)・ストレート(直進)・ストップ   (止まれ)
 ●クイズ5…アイメイトへの命令語は日本語ではなく英語なのはなぜ?
  A 日本語は一つの言葉でもいろいろな言い方があり分かりづらいから
  B 英語だとかっこいいから
  C 海外旅行をすることもあるから
  答え…A
 ●服従訓練…1日1回程度指示語に従う訓練をする。
  例…シット(座れ)・ダウン(臥せ)・アップ(立て)・ウェート(まて)・ステイ  (その場でまて)・カム(おいで)・ウェッチ(拾え)
 ●クイズ6…アイメイトは目の見えないご主人(使用者)に曲がり角や段差、危険な場  所などをどうやって教える?
  A 鼻先で使用者の太ももをつついて教える
  B 尻尾を大きく振って教える
  C 立ち止まって教える
  答え…C
 ●曲がり角や段差、危険な場所等で盲導犬が停止すると、使用者はまず周囲の音や人の  動き等を見てその場の状況を判断する。次に足を前に出し、段差や危険なものがない  かを確認する。盲導犬が停止した理由を確認したら誉めた後次の指示をする。
 ●クイズ7…交差点の判断はどのようにしているか?
  A 使用者が渡れるかどうかを判断し、アイメイトに指示を与えている
  B アイメイトが信号機の色を判断して渡る
  C 誰かが渡らせてくれるまで待つ
  答え…A
 ●交差点・信号の判断。(犬は、色盲のため信号は見えない。盲導犬は交差点で停止し、  使用者が横断できるか判断して犬に命令する。)
 ●利口な不服従…交差点等で使用者が前進するように指示したときでも、犬が危険と判  断すれば、指示に従わない。
 ●私がアイメイトを使用するようになったきっかけ…もともと犬好きであったが、アメリカ  留学中現地の視覚障害者が盲導犬とともにいきいきと活躍しているのをみて私も就職  したら盲導犬と歩きたいと思った。
 ●クイズ8…日本で盲導犬第1号が誕生したのはいつ?
  A 昭和32年  B 昭和42年  C 昭和52年
  答え…A
 ●盲導犬の歴史…盲導犬訓練の起源は,ドイツの戦傷盲人援助の目的で1916年,ドイツ  のオルデンブルクに盲導犬学校が設立されたことによる。23年にはポツダムに盲導犬  訓練所が開設され,以来盲導犬訓練による盲人援助がヨーロッパ全土に広がった。日  本では,1957年盲導犬国産第1号「チャンピー」が誕生した。また、1967年には,財  団法人 日本盲導犬協会が組織され本格的な育成が始まった。
 ●クイズ9…アイメイトの食事は?
  A 決められた量のドックフードを1日1回与える
  B 使用者が食事する時必ずドックフードを与える
  C 朝は肉中心、夜は野菜中心の食事を作って与える
  答え…A
 ●アイメイトの食事は、1日1回決められた量のドックフードを与える。また年齢や体調に  応じて適切な種類のフードを選んで与えている。アンドリューの場合夜7時頃1回に  350Gのフードを食べている。盲導犬の食事は、健康管理や糞尿の量の調整も必要  なため、食事も含めたトータル的な体調管理が求められる。
 ●クイズ10…アイメイトのトイレは?
  A 人間と同じトイレで、またがってする
  B 室内でペットシートをおいてそこでする  C 外でする
  答え…C
 ●アイメイトの排泄は基本的には外でさせている。ワンツーという指示語があり、ワンツー  ワンツーと繰り返しながらリードを長く持し、使用者の周囲をまわりながら排泄を促  す。使用者は、犬の背中の角度を見て糞尿のいずれかを判断し、便はビニール袋で集  めて取り、尿は水で洗い流す。
 ●クイズ11…アイメイトの食事や手入れなど犬のお世話をするのは誰?
  A 使用者本人 
  B 目の見えない使用者では大変なので家族やボランティアの人がする
  C 犬が自分でする 
  答え…A
 ●アイメイトのケアー…排泄・食事・シャンプー・ブラッシング・歯磨き等。(使用者自身  がすべて行う。)アイメイトは使用者を安全に誘導するかわりに、使用者は犬の世話をす  べて自分で行う。ギブアンドテイクの関係が成り立つ。
 ●クイズ12…盲導犬の仕事の報酬は?
  A 月々決まったお給料をわたす
  B 仕事ができたときに餌を与える
  C 仕事ができたときには言葉でよく誉める
  答え…C
 ●犬はもっとも古い家畜で、食物によらずにしつけや調教ができる唯一の動物といって  も過言ではない。アイメイトは使用者の感謝の言葉だけで、使用者の喜びを自分自身の喜  びとして感じとることができる。
 ●使役犬とペットとの違い…アイメイトは、使用者の命が託されているため、真剣に仕事を  しなければならない。アイメイトは毎日が訓練のようなものであり、仕事がうまくできれ  ばその場で褒めてやり、うまくできなければその場で叱る事が大切である。使用者がアイメイトを叱るのは、決して虐待しているのではなく必要な事なのである。また、アイメイト自身も、働く事に喜びを感じ「プライド」をもって仕事をしている。
 ●クイズ13…アイメイトのリタイアの時期はいつ?
  A リタイアの年齢が決められている 
  B 健康状態を見ながら使用者が決める 
  C 抜け毛がひどくなったらやめる
  答え…B
 ●アイメイトとして働ける年数…個体差があるが約10年。年齢概ね11歳〜13歳程度ま  で。ただし、アイメイトと飼い犬の寿命の差はない。
 ●クイズ14…アイメイトになるための訓練をはじめるのはいつ頃?
  A 生後2ヶ月頃から  B 1歳2ヶ月頃から  C 2才2ヶ月頃から
  答え…B
 ●クイズ15…アイメイトになるための訓練期間は?
  A 2年〜3年
  B 1年〜2年
  C 3カ月〜1年
  答え…C
 ●アイメイトの育成方法…繁殖者→パピーウォーカー(飼育奉仕者)→適正検査→訓練(3  カ月から1年)→使用者との共同訓練(4週間、2頭めからは3週間)
 ●クイズ16…盲導犬の数の多いのはどこの国?
  A 日本
  B 中国
  C ドイツ
  答え…C
 ●世界の状況…ドイツ1万5千頭、アメリカ1万頭、イギリス4千7百頭、カナダ1千  頭、フランス1千頭。
 ●日本での盲導犬育成状況…全国8カ所の訓練機関。日本全国で約850頭。平成11  年度実績で年間124頭を育成。(新規66頭、代替え58頭)
 ●日本での盲導犬の必要頭数…約4千頭から8千頭程度
 ●費用について…地方自治体の委託事業または寄付 1頭1,984,500円
  個人負担(プライド料) 150,000円(アイメイト協会調べ)
 ●アンドリューとの1日の生活…通勤・職場・食事・ブラッシング・排泄。
 ●結び…盲導犬は視覚障害者を誘導するための訓練を受けた犬であって、スーパードッ  クではない。最近の報道では、賢い犬ということで注目が集まってしまっているが、  使用者に適切なコントロールをされてこそ本当の盲導犬になることができる。わが家  のアンドリューはハーネスをはずせば普通の犬に戻ってしまう。メリハリが大切であ  る。

 ○町中等で視覚障害者を見かけたら? 手を貸すときの注意点…突然肩や腕をつかまな  い。(まず声をかける。話しかける時には、「所属・名前」を名乗る。また白杖やハ  ーネスをつかまない。)
 ●簡単な手引の方法。(後ろから肩や腕を押すのではなく、視覚障害者に誘導者の肩や  腕、肘の上等につかまってもらう)
  アイメイト使用者の手引…使用者の右側か右後ろにたち言葉で方向を指示するか、使  用者に誘導者の肘の上をつかませ案内する。
 ●道を説明するときの注意点…「こそあど言葉」を使わない。音で確認できる目印や距  離(歩数)・曲がり角の数等を知らせる。また、方向等を時計の文字盤に見立てて説  明するのもよい。
 ●食事などの説明。(時計の文字盤に見立てて説明する。)
 ●物などを説明する場合…なるべく具体的に色や形、大きさ等を説明する。
 ●椅子などを勧める時には…電車の椅子があいている時には、椅子の上を軽く叩いて
  「ここあいてますよ」のように声をかける。また、レストラン等で席を案内するとき  には、椅子の座面や背もたれにふれさせる。車等の座席を案内するときには、車の種  類(ワゴン・乗用車等)を説明するほか、座面だけでなく車の天井に頭などをぶつけ  ないように、屋根の高さを確認してもらう。

 ○見えないことってどんなこと?
  視覚障害の定義…盲[blindness] 厳密には種々の眼疾患によって視力を失い,さら  に光覚をも失って,明暗を弁ずることもできなくなった状態をさす。この状態はとく  に全盲と呼ばれるもので,一般にはもっと広義に,両眼の矯正視力の著しい低下のた  め,日常生活が不自由な状態を呼んでいる。
 ●視覚障害の種類…全盲・準盲・弱視。他に、色盲や視野狭窄等の疾病もある。
  視力の低下により,次の三つの段階に区分している。
  @盲 視力0.02未満。
  A準盲 視力0.02以上0.04未満。
  B弱視 視力0.04以上0.3未満。
 ●失明の主な原因…事故・病気→先天性疾患・中途失明。(糖尿病等生活習慣病の増加)
 ●視覚障害の三つの問題…読み・書き・移動。
  視覚障害は別名「情報障害」ともいわれ、一般に外界からの情報の80%以上を視覚を  とおして得ているといわれている。
 ●読み…点訳・朗読・大活字・対面朗読・OCR(文字読み取り装置)・コンピュータ  等の利用。
 ●書き…代筆サービス。音声ワープロ・パソコン等の利用。
  ただし音声ワープロやパソコンでは定型文書への書き込みはできない。
 ●移動…ガイドヘルパー・白杖・盲導犬の利用。
 ●情報障害…パソコン通信・インターネット等のOA機器の活用。

 ○点字とは…盲人が指先で読む記号文字で,紙面に凸起した点の組合せで構成される。
 ●点字の歴史…現在世界的に通用している点字は、1824年フランスの盲人ルイ=ブライ  ユLouis Braille(1809-52)の考案。日本では1890年(明治23)に東京盲唖学校教諭石川  倉次(1859-1944)がブライユ点字をもとに日本点字を考案。
 ●点字の構成…点字は、縦3点横2列の6点を単位とし,その構成は上部三つの点(1 2  4の点)の組合せを母音アイウエオにあて,この母音点字を基本として,これにその他  の点を組み合わせ,たとえばカ行には6の点,サ行には5 6の点を加えて子音点字とす  る。
 ●点訳の方法(手書き・亜鉛板製版・パソコン点訳)

 ○障害者とは?
 ●障害者はかわいそう?
 ●私の幼少期
 ●虐め・差別
 ●失明・将来への不安・絶望。
 ●友人の死…病死・自殺・事故死。
 ●見栄えや傍目ではなく本音で生きる。(在るがままの自分を受け入れる)
 ●他人との比較をしない。
 ●障害が個性になる日
 ●不運は不幸ではない。

 ○バリアフリー社会をめざして。
 ●統合教育の推進…普段から身近にいないからどのように接していいかわからない。
 ●地域社会の中での障害者との関わり。
 ●機器の開発や町づくりの検討段階から、障害者も積極的に参加する。
 ●障害者の社会参加。雇用・就労の機会の確保。
 ●どんな人でも障害者になりうる。病気・事故・高齢化等。他人事として考えない。
 ●障害者がその障害を意識することなく、あたりまえに生活していける社会をめざして。

 ○皆さんがこれから実践して頂きたいこと。
 ●相手が障害者であるかないかに関わらず、困っている人を見かけたら、見て見ぬふり  をするのではなく、恥ずかしがらずに勇気をもって声をかける。手助けをする。また、  手助けをしている人を見かけたときには、ひやかしたり、笑ったりせずに協力をする。
 ●点字ブロックの上に物をおいたり、自転車・自動車等を止めない。
 ●ボランティア活動への参加…ハイテク機器の開発も重要だが「人的支援」の方がより  大切。ボランティアをする人は、決して一部の選ばれた人や特別な人たちだけではな  い。構えることなく、身近な事から始めてみる。
 ●人の痛みのわかる大人になってほしい。