日常生活編
Q 使用者が握っている盲導犬の胴具は何ですか?
 ハーネスといいます。これを装着しているときは、盲導犬にとって『仕事中』になります。使用者はハーネスと引き綱を左手に持ち、犬の右側に立って歩きます。犬が落ち着かずにキョロキョロしているときは、いつもと違う振動が伝わってくるなど、犬の心までを知ることができます。
Q 犬の名前は誰が付けるのですか?
 繁殖奉仕をお願いしている方に、犬が誕生したときに付けていだいています。ちなみにポチやシロなどの一般的な犬の名前や、太郎や次郎など日本人の名前は避けています。名前を呼んで命令する際、たまたま居合わせた同じ名前の犬や人を呼んでしまわないようにしているのです。
Q たとえば駅や職場までの道を、盲導犬は覚えているのですか?
 主人の行き先を知って誘導するわけではありません。盲導犬は交差点など道が分かれる箇所で必ず止まり、主人の「ライト(右)」「レフト(左)」「ストレート(直進)」などの命令に従って動きます。どこへ行くかという意志は使用者にあります。あらかじめ地図を調べて、いくつめの交差点を右…というように頭に入れたり、知らない場所は人に聞きながら行くのです。
Q 階段はどう判断するのですか?
 階段は下りなら一旦停止、登りならさらに前足を一段掛けることで、使用者にその存在を伝えます。また、曲がり角は「コーナー」、階段は「ブリッジ」と命令語を掛けて捜させることもできます。階段をブリッジというのは、歩道橋の場合もあるためです。
Q 犬には信号の色が分かるのですか?
 犬は色盲だとされているので、色は分かりません。交差点はコーナーですから、まず一旦停止します。つぎに使用者が、耳でクルマの流れを判断します。自分の近くを行き来する他人の足音もヒントになります。この結果、横断してもいいと判断すると、犬に「ゴー」と命令します。ただし、横切るクルマがあるときは、命令しても犬は進まないように訓練されています。これを『利口な不服従』と呼びます。
Q 駅で自動改札のときは困りませんか?
 人に頼ることなく乗降するために犬の訓練と使用者への指導をしています。まず「カイサツ」と命令すると、犬は改札口まで歩いていきます。自動改札機の場合は、直前で一旦停止し、鼻をキップの投入口に付けます。使用者は手探りで犬の首〜頭〜鼻と撫でていくことで投入口を知り、そのまま手をすべらせていくと排出されたキップも取ることができます。また、券売機へも「キップ」という命令で知ることができます。金額ボタンに点字が付いているのはご存知の通りです。
Q 歩行中は、他の犬とじゃれたりしないのですか?
 こちらからじゃれるようなことはありませんし、向こうからやってきてもじゃれません。たとえば他の犬に噛まれたりしても、大声で鳴いたり噛みつき返したりはせずに、じっと耐えます。もちろんこんなことのないように、飼い犬をあまり近づけないようにお願いしたいと思います。
Q 散歩の際、排泄の始末はどうしているのですか?
 なるべく外出前の決まった時間にするように習慣づけています。ただし、その時間が歩行中に当たった場合などは、まずハーネスをはずし、引き綱をはめて使用者の周りをグルグル回るように歩かせます。これが排泄してもいい、という合図です。『大』か『小』かは、背中の曲がり具合で分かります。目の見える方と同様に、『大』はビニール袋などできちんと始末します。背中をなぞって尻尾の位置を確認し、その手前に足を置きます。その足の少し先を探るわけです。
Q 使用者が病気のとき、犬の世話はどうするのですか?
 入院などで長期におよぶ場合には、協会等の指導員が取りに伺ってお預かりしています。協会にいるあいだに、健康状態や命令にきちんと従うかなどをチェックしてお返ししています。

Q 盲導犬が病気のときはどうするのですか?
 病気が治るまで盲導犬の仕事は休みます。入院の間にしつけが乱れてしまった場合は、各盲導犬協会で再訓練を受けることができます。
こちらから再訓練を受けた盲導犬の記録が見られます。